春。卒業の季節。
大学時代に受けた人類学の先生の話を思い出す。
私たちの暮らしにはハレとケがある。祭りや儀式はハレ。
日常を続けていると、やがて倦んでくる。
だからこそ、ハレの非日常が必要になる。
ハレで非日常を味わうことによって、日常の愛しさに気が付くことができる。
間違っているかもしれないけれど、ざっとこんな話だった。
そして、先生はこう続けた。
卒業式もハレの日。
当の本人ではない人さえも号泣したりして、その瞬間、日常を離れて、いろんなことを感じ直す。
それによって、リフレッシュ、いや生まれ変わって、また日常を歩み始めるんだ、と。
ハレとは、一度小さく死んで生まれ変わるときなのだ、と。
おもしろいなあと思った。
私たちは日常の愛しさ、大切さを知りながら、すぐに繰り返しのなかで倦んでしまう。
けれど、ハレの日に、そのことを改めて思い出して、小さく死んで生まれ変わって、また歩き始める。
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