2023年3月19日日曜日

ハレとケ

春。卒業の季節。 大学時代に受けた人類学の先生の話を思い出す。 私たちの暮らしにはハレとケがある。祭りや儀式はハレ。 日常を続けていると、やがて倦んでくる。 だからこそ、ハレの非日常が必要になる。 ハレで非日常を味わうことによって、日常の愛しさに気が付くことができる。 間違っているかもしれないけれど、ざっとこんな話だった。 そして、先生はこう続けた。 卒業式もハレの日。 当の本人ではない人さえも号泣したりして、その瞬間、日常を離れて、いろんなことを感じ直す。 それによって、リフレッシュ、いや生まれ変わって、また日常を歩み始めるんだ、と。 ハレとは、一度小さく死んで生まれ変わるときなのだ、と。 おもしろいなあと思った。 私たちは日常の愛しさ、大切さを知りながら、すぐに繰り返しのなかで倦んでしまう。 けれど、ハレの日に、そのことを改めて思い出して、小さく死んで生まれ変わって、また歩き始める。

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